月経不順(量の異常)について

 今回は月経の量(経血量)が多い場合や少ない場合についてお伝えします。

 経血量が多い場合は、気の不足と体に余分な熱がある場合があります。

 気の機能の一つに、血(けつ)など人体に必要なものが体外に漏れ出ないようにコントロールする働きがありますが、気が不足している『気虚』証の場合、この力が弱まり出血しやすくなります。そのため経血量が増えます。気を補う漢方薬を使ったり、過労をさける、バランスの良い食事を摂るなどして改善していきます。

 また、味が濃く脂肪分が多い食生活や精神的なストレスで、体に余分な熱があると熱邪の影響により出血が促され、経血量が増えます。血熱を冷ます漢方を使ったり、脂っこいものを避けて頂きます。

 経血量が少ない場合は、血(けつ)の不足、腎の衰え、体に余分な水がたまっている、血流が悪いことが考えられます。

 血(けつ)が不足している『血虚』証の場合は体に必要な血液や栄養が不足しています。そのため、経血量が少なくなったり、髪のつやがない、爪が割れやすい、目が疲れやすいなどの症状がみられます。この場合は血を補う漢方薬を使ったり、胃腸の調子を整えたり、食生活の改善をしていきます。

 加齢や過労により腎の機能が衰える『腎虚』証になると、血の原料である精が不足して、血が不足します。また、体に余分な水がたまっている『痰湿』証の場合は、痰湿が血の流れを阻害するため、経血量が少なくなります。

 血流が悪い場合は、血流が悪いため経血量が減ってしまう場合血行不良により血があふれ出て過多月経になる場合があります。血流を良くする漢方薬を使用したり、ウォーキングを行ったり、体を冷やさないようにして改善していきます。

 同じ症状でも体質や現在の状態により対処法が変わってきますので、ぜひご相談下さい。