漢方は長く飲まないと効かない?

 一般的に漢方薬での治療は穏やかに効果が出て、長く飲まないと効かないというイメージをお持ちの方が多いと思います。

 西洋薬は今出ているつらい症状を一時的に抑えるものが多く、すぐに効くような感じがしますが、薬の効果がなくなるとまた症状が出てしまうことが多いです。

 例えば、慢性頭痛で鎮痛剤を服用すると痛みのもとであるプロスタグランジンの生成を抑えるので、痛みが落ち着いてきます。しかし、薬の効果が減少してくるとまた痛みを感じてしまいます。または、その日は痛みが出なくても月に何日か頭痛を繰り返す場合もあると思います。

 漢方薬で治療する場合は、体質のどこに偏りがあって頭痛を引き起こしているかを見極めて治療をしていきます。血流が良くないのか、気の流れが悪いのか、体が冷えているのか、余分な水分が邪魔しているかなどを主症状に加え、その他の症状や普段の生活習慣をお伺いして漢方薬を決めていきます。

 また、普段の生活習慣により不調が引き起こされている場合がありますので、生活改善のアドバイスもさせていただきます。

 そのため、慢性的な症状で、特に長く症状が続いている場合には体の偏りが改善するのに時間が必要になりますし、生活習慣の改善も必要になるので、時間がかかる場合もございます。

 しかし、体の土台が整ってくれば、体本来の自然治癒力が高まってくるので、不調を起こしにくい体になったり、軽い不調であれば自分で治せる体になります。

 風邪などの急性疾患であれば、症状を感じて早めに対処すれば、ひどくならずに治すこともできます。そのためには葛根湯や銀翹散などのひきはじめの風邪に対応した漢方薬を常備しておくことをおすすめします。