むくみについて

 午後になると足がむくむ、朝起きると顔がむくんでいるなど、体のむくみを経験された方も多いと思います。

 むくみは、体内にたまった過剰な水分です。体内の水分がスムーズに流れていればむくみは起こりづらいですが、体のバランスが崩れているとむくみが起きやすくなってきます。漢方では水の流れと関係の深い五臓は脾・肺・腎だと考えられています。そのため、その方の体質に合わせてむくみを解消していきます。

 ①は消化吸収をつかさどる臓腑です。脾が弱くて水の代謝が悪くむくみやすい方は食欲がない、便が軟らかめ、手足が重だるい、疲れやすい、舌の表面に白い苔がべっとり付いているなどの症状が出やすいです。このような場合は六君子湯などで胃腸の機能を高めて、余分な水を取り除きます。

 ②は脾との相互関係で、脾の弱さから肺も弱くなりやすいです。逆に言えば、脾の調子を整えることにより、肺の機能を高めることもできます。肺は体表へ水を送る臓腑なので、肺の機能が乱れるとむくみはひどくなる場合があります。このような場合は防己黄耆湯などで余分な水を取り除きます。

 ③は水の排泄や再吸収に関わる臓腑です。腎機能が低下すると水の流れが悪くなるのに加え、体が冷えやすくなってしまいます。下半身がむくみやすかったり、夏の冷房が苦手、舌の色が白っぽいなどの症状がでやすいです。このような場合は体を温めて腎機能を高める八味地黄丸などで水の流れを良くします。

 上記以外に生理前にむくみやすい方もいらっしゃると思います。生理前のいらいらや落ち込み、生理痛などの症状がでやすいです。このような方は肝の気が滞りやすい体質です。肝気の流れを良くする四逆散や加味逍遙散などで肝気の流れをスムーズにします

 むくみ対策には水分の摂り方も大切になってきます。一度に多量の水分を摂らない。喉が渇いたら少しずつ飲む。水分は常温もしくは人肌位に温めて飲むなど気を付けるようにして下さい。また、ストレッチやマッサージなどで水の流れを良くするようにして下さい。