漢方をおすすめする理由

 人の体には自然治癒力免疫力が備わっていて、軽微な不調であれば自分で治す力があります。

 風邪をひいて熱が出るのは体温を上げてウイルスや細菌に対抗するためですし、傷んでいるものを食べてお腹を下すのは体にとって害のあるものを早く体外に出すための反応です。人にとって不快な症状ですが、体は早く治そうと頑張ってくれています。そのような時に不快な症状を抑えようと解熱剤や下痢止めを使ってしまうと、せっかくの体の反応が抑えられ治るのが遅くなることもあります。

 漢方薬で治療する場合、風邪でよく使う葛根湯であれば、熱を下げて治療するのではなく、むしろ体温を上げる方向に働き、体が治そうとする反応を助けることによって、ウイルスや細菌と戦う力を高めてくれます。

 風邪のような急性の症状ではなく、慢性的な不調は漢方では体のバランスの崩れにより起こると考え、そのバランスを整えることにより治療していきます。そのため、同じ症状であっても人により、使う漢方薬は違ってきます。また、一つの症状を改善することにより体全体のバランスが整って、他の不調も改善することもあります。

 体のバランスの崩れとは体の構成要素である『気・血・水』の量が足りなかったり、上手く巡っていないということがあります。また、『五臓(肝・心・脾・肺・腎)』の弱りや過剰に働いていて他の臓器に影響を及ぼしていることもあります。

 漢方薬局では体の不調がいつから続いているかや普段の生活の状況をお伺いして、バランスの崩れがどこにあるかを考えながら漢方薬を提案しています。また、普段の生活習慣により、体の不調が出ている場合もありますので、改善した方が良い事もお伝えしています。

 健康のためには漢方薬で不調を改善することも大切ですが、普段の生活習慣を改善する(養生する)ことで、5年後10年後の自分の健康を守ることができます。そのために何か気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。