漢方とは

 漢方は奈良時代に中国から伝来した中国医学を基本とするもので、その後、日本の風土や体質に合わせて独自に発展した日本の伝統医学です。漢方薬や鍼灸、按摩なども含まれます。

 漢方というと『漢方薬』が思い浮かぶかもしれませんが、漢方では『養生』と言って病気にならないように生活を整えていくことを重視しています。人間は自然界の一部であり、常に自然環境から影響を受けているので、季節に合わせた『養生』があります。また、体内のバランスの崩れから不調が出ていると考えていて、バランスを整えていくように体質に合わせた『養生』があります。

 現代の西洋医学と漢方医学の違いは、西洋医学が臓器別の診断が主体であり、手術や外傷の処置、抗生物質による細菌感染などを得意としているのに対し、漢方医学では身体全体のバランスの崩れを整えることにより、自然治癒力や免疫力を上げて、慢性疾患やアレルギー疾患、精神疾患などの改善を得意としています。

 漢方薬は、草や木、動物や鉱物など、自然界にある生薬を複数組み合わせて作られます。人体の構成要素である『気・血・水』が足りない場合はそれらを補う生薬、『気・血・水』の流れが悪く滞っている場合はそれらの流れを良くする生薬を使います。また、五臓の『肝・心・脾・肺・腎』の弱いところがあれば、それらを補う生薬を組み合わせていきます。その他にも寒熱のバランスを診て冷えていれば温める生薬を、熱が強ければ冷ます生薬を組み合わせていきます。

 漢方薬は体に優しい、副作用がないと思われがちですが、体のバランスを崩すものを使ってしまうと、不調につながってしまいます。例えば、体が冷えているのに、冷やす漢方薬を長期間使用してしまうなどです。漢方薬局では問診や舌診などにより、バランスの崩れを把握してそれを改善する漢方薬を提案しています。また、自然治癒力を上げるための体の土台が整っていない場合は滋養強壮薬や健康食品のご提案をさせて頂く場合がございます。小さな不調が大きな不調につながる場合がございますので、ぜひお気軽にご相談ください。