イライラについて

 イライラすることは誰にでもあると思います。自分の思い通りに事が運ばない時や、ちょっとしたストレスを感じた時にイライラすることはあると思います。イライラしすぎて、仕事や勉強に集中できなかったり、眠れなくなったり、自己嫌悪に陥ったりすることもあるかもしれません。

 漢方ではイライラは『熱邪』の仕業と捉えています。人間の意識や思考をつかさどる心(しん)が熱で燃え盛ると焦りを感じたり、不安感、寝付けない、夢をよく見るなどの症状が出ることがあります。顔や舌が赤くなったり、目の充血、口の渇きの症状が出ることがあります。この場合は過剰な熱を冷ます『黄連解毒湯』などを使います。便秘をともなう場合は『三黄瀉心湯』を使います。

 自律神経をつかさどる肝(かん)に過剰な熱がこもっている場合は怒りっぽかったり、すぐにかーっとなりやすいです。この場合は肝の熱を冷ます『竜胆瀉肝湯』などを使います。

 慢性的にイライラする場合は肝の気の流れが悪くなっている『肝鬱』証のため、小さな刺激に対しても敏感になっていてイライラしやすくなっている場合があります。女性は月経前に肝鬱気滞になりやすく、便秘や下痢になったり、胸の張りなどの症状がでることがあります。イライラした後に落ち込むことも多いです。この場合は肝気の流れを良くする『加味逍遙散』などを使います。

 体の熱を冷ますのに必要な陰液(血・津液・精)が不足して、相対的に熱が過剰になる場合があります。特に年齢を重ねていったり、睡眠不足が続くと陰液を消耗しやすくなります。手足のほてりがでたり、足腰のだるさ、耳鳴りなどの症状が出ることがあります。この場合は陰液を補う『六味地黄丸』などを使います。熱の症状が強い場合は清熱剤も併用することがあります。

 イライラが続くと睡眠が充分にとれなかったりして体調にも影響してきます。漢方薬でイライラしにくい体質に改善していくのと並行して、ものの考え方も少し変えるようにするといいと思います。自分の周りの環境や相手の心情など自分で変えることができないものに心を乱されるのではなく、現在の自分を受け入れ、自分でできることを少しずつ改善していくようにしましょう。