更年期障害について

 女性の更年期は閉経年齢の50歳前後を中心に、45歳から55歳くらいまでの期間を指します。この時期は女性ホルモンのエストロゲン量が急激に低下し、体調が変わりやすくなります。

 症状には個人差がありますが、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、めまい、動悸、頭痛、肩こり、冷え、疲れやすいなどの身体症状や気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、不眠などの精神症状が起こりやすくなります。症状の強さも個人差があります。

 漢方の考えでは、更年期の症状は成長・発育・生殖に関わる『腎』の機能の低下と関係が深いと考えられています。

 『腎陽虚』証では腎機能の低下により、体を温める機能が低下してしまいます。それにより、むくみや頻尿、冷えの症状が出やすくなります。その他にも髪の毛の乾燥、脱毛、健忘、骨量の低下、血圧上昇、動悸、息切れの症状がみられることがあります。腎機能を補って、体を温める漢方薬として『八味地黄丸』などが使われます。むくみがひどい場合は『牛車腎気丸』を使います。このような方は体を冷やす飲食物の摂取は控えて下さい。

 『腎陰虚』証では腎機能の低下により、体液などの陰液が減少した体質です。体の中の熱と陰液のバランスが崩れて、陰液が減ってしまうと相対的に熱の症状が出やすくなります。そのため、手足のほてりやホットフラッシュの症状が出やすくなります。その他にも体のほてり、口の渇き、ドライアイ、イライラなどの症状がみられることがあります。この場合は『六味地黄丸』などを使い、陰液を補っていきます。熱の症状が強い場合は熱を冷ます『黄連解毒湯』などを併用することもあります。

 腎機能の低下以外には自律神経系や情緒の安定と関係が深い『肝』の機能が乱れる『肝鬱気滞』証があります。精神的なストレスやホルモンの急激な変化により起こりやすくなります。不安感、動悸、イライラ、気分の落ち込み、下痢と便秘を繰り返す、頭痛、肩こりなどの症状が起こりやすくなります。肝の機能を安定させる『加味逍遙散』などが使われます。深呼吸をしたり、ウォーキングやストレッチをしたりしてリフレッシュする時間を持つようにしましょう。