肥満(ダイエット)について

 薄着の季節になってきて、ダイエットが気になる方もいらっしゃると思います。

 まずは食べ過ぎや運動不足といった、生活習慣を見直していただく事が大切です。漢方薬では太りやすい体質を改善して、太りにくい体質にするお手伝いができます。

 ①気の流れが悪い体質
 体内の気の流れが悪くなることによって、体脂肪が溜まりやすくなっている体質です。ストレスなどで食べ過ぎることも多いです。落ち込み、憂鬱感、残便感などの症状もあらわれやすくなります。気の流れをスムーズにする『四逆散』『柴胡加竜骨牡蛎湯』『大柴胡湯』などの漢方薬を使います。

 ②水の流れが悪い体質
 体内の水の流れが悪くなることによって、体内に過剰な水分が溜まって体重が増加しています。過剰な水の影響で、体が重だるい、胃がつかえる、頭がぼーっとするなどの症状があらわれやすくなります。水の流れをスムーズにする『平胃散』『二陳湯』などの漢方薬を使います。また、甘いものが好きな方は減らしていただく事も大切です。

 ③胃腸の働きが悪い体質
 胃腸の働きが悪く、消化吸収や代謝が悪くなっていることによって体重が減りにくい体質です。あまり食べないのに太る、疲れやすい、汗をかきやすいなどの症状があらわれやすいです。舌の色が白っぽく、湿っぽく白い舌苔がついています。胃腸の働きを良くするために『六君子湯』などの漢方薬を使います。

 ④腎機能が低下し、冷えている体質
 水の流れをつかさどる腎の機能が低下し、さらに冷えも伴う体質です。特に下半身太りになりやすく、体内の冷えもあるので、夏の冷房が苦手な方が多いです。体を温めて腎機能を高めるために『八味地黄丸』などの漢方薬を使います。

 ⑤血(けつ)の流れが悪い体質
 血流がうっ滞しやすい体質です。食べ過ぎや飲み過ぎで体重が増加し、さらに肝臓に負担が掛かっていることもあります。血流を改善する『冠心逐瘀丹』などの漢方薬を使います。甘い物や脂っこい食事は減らしていただく事も大切です。

 短期間で瘦せようとして、食事を抜いたり、糖質制限などの偏った食事で痩せると、体の代謝が落ちてしまいリバウンドしやすくなってしまいます。規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動で少しずつ体重を減らすようにしましょう。