目の疲れ・眼精疲労について
パソコンやスマホを見る機会が多く、目の疲れ、目のかすみ、目の痛み、ドライアイなどの症状が続いていませんか?また、年齢を重ねたせいか、本や新聞の字が読みづらくなったという方もいらっしゃるかもしれまん。
そのような症状を放置しておくと、首や肩のこり、頭痛、視力低下など全身の症状につながっていきます。日頃からの対策をおすすめします。
漢方の考えでは目に関係が深い臓器は『肝』だと考えられています。肝は気の巡りに関わったり、目の栄養である『血(けつ)』を貯蔵したり、筋肉の収縮や弛緩に関わっています。
①肝血虚証
体の栄養である肝血が不足している体質で、目に供給される血液量が低下して、目の疲れ、目のかすみ、ドライアイ、まぶたがぴくぴくするなどの症状がみられます。血の不足により、髪の毛のパサつきや、爪がもろい、肌の乾燥、月経の不調などの症状が起こりやすくなります。血を補う『四物湯』をベースとした漢方薬で改善していきます。
②肝腎陰虚証
『腎』は気や血の基本物質である『精』を貯蔵しています。腎は精を基に血を生み出す臓腑であります。『精血同源』『肝腎同源』と言われるように肝血の不足を腎精で補い、腎精の不足を肝血で補いあっています。そのため、過労、生活の不摂生、加齢などにより腎精(腎陰)が減ると、肝血も減って、ドライアイ、目の疲れなどの症状が出やすくなってしまいます。足腰のだるさ、手足のほてり、頭がボーっとするなどの症状も出やすくなります。肝腎の陰液を補う漢方である『六味丸』に目の栄養である枸杞子(くこし)と菊花(きくか)を配合した『杞菊地黄丸』で改善していきます。
パソコン作業中はこまめに休憩をはさみ遠くを見る時間を作る、姿勢を良くして画面に近づきすぎないなど、目を酷使しないように注意してください。また、夜は十分な睡眠をとって、肝血の消耗を防ぐようにしましょう。